道具としてのモノ選び。
男子たる者が趣味という分野で命を燃焼させていく場合、
若くていたいけな美少女ではないのですから^^;、
見た目のかわいらしさやかっこよさ、ましてやなんの意味もないデザインや話題性、流行性よりかは、
やはり機能性! これをとことん追求していくのが王道といえます。^^
こう一言で済ませますと、存外に簡単なことだと早合点し、もちろん自分はできていると考えちゃうわけですが、
実際はこの孤独で過酷な作業ができている人というのは、ごく少数に限られます...
冷徹な観察眼、正確な比較能力をもってしてはじめて可能な、地道な作業と言わざるを得ません...
すなわち、機能性を追求する道具道、その過程には、さまざまな大きな罠が待ち構えています。
それらはある種の権威とかそういう鎧を被って、貴殿の前に何回も何回も立ち塞がります...orz
ですので、罠だとは気付かないうちにまんまと大きな落とし穴に入ってしまっている人々も多数出てくるわけです...OTL
あらゆる罠は姿かたちを変え、貴殿を誘惑し、翻弄します...
例えば、最新の物性の、あの材料を使っているから、例えば、だから価格が幾分高くなるから信用できるとか、或いは例えば、あの雑誌やプロが言ってるから、さらに例えば、あの有名プロがプロデュースしたから、などなど、ウンヌンカンヌン.....^^;
はいはい、肩書きやブランド、
言い方をかえるならば、レッテル、商業主義をひた隠しにした宣伝、
これらにはわれわれ現代人はとかく抵抗力を失ってしまっているわけなんですね...
自戒を込めて...^^;
逆からいえば、実際にフィールドにおいて、自らの力で検証し、道具として比較していく作業、これができない人が多いという証左になるわけです。
ただご安心くださいませ。
真の技術(=テクニック)であるロッドワーク、エルモスタイルを始められたアングラー様にとっては、
初めてからたった1か月という短い期間であってさえも、
実際に自分の体、自分の腕を使っているわけですから、
きっちり道具としていいモノが自然とわかりますからね~~~!!^^
肩書きやブランド、宣伝などの罠には嵌りようもありません!!^^
どちらも6フィートのショートレングスのロッドで、またどちらもMパワーといった表示がなされたロッドになります。
そしてどちらも、エルモスタイルでいうところの「糸フケテーパー=クランキングではないテーパー」になります。^^
見た目もどちらも黒っぽいブランクスで、どちらもコルク仕様。 まあ遠目から見れば同じように見えなくもありませんね。
まあ、水中の魚が見上げればほぼ同じものとして認識するでしょうが.....^^;
それではまずは両ロッドのご紹介。^^
右側がジャーーーン、価格が超高級~~~!ってことでおなじみの~~~、
アメリカン高級ブランド「Gルーミス社 G Loomis」の数あるロッド群の中でも~~~、
最も最上級機種にランクされる~~~、
ドカーン、日本での代理店がTIFA社時代には~~~、
ドッキーーーン、8万円台半ばの高額な定価設定をされていた~~~、
通称”Lawyer &Doctor”「弁護士さん&お医者さん」御用達ロッドの「GLXシリーズ」===!!
日本でも多くのアングラー達から憧れの眼差しで語られてきた最高級機種のモデル722、すなわち6フィートMのロッドになります。
(注 もちろんミーハーにも、非常に恥ずかしいことですが、個人的にも揃えて使ってきました...(苦笑) 清水の舞台から飛び降りる気合で大枚はたいて...^^; そんな40代以上のアングラー様は多いでしょうね...^^;
今の価格はどれくれいなのでしょうか..おそらく5万円台くらいでしょうかね...??)
超高弾性で、超軽く、しかもしなやかな曲りのよくできた高級ロッドになります。
ガイドは軽量なチタンSICが8個付いていますね。
そして片や、左側は~~~、
弊フィッシングエルモでは驚異の低価格、6980円で常時ご奉仕していた、
バスプロショップス社の「グラファイトシリーズ 60M 2011年モデル」になります。^^;
ガイドは大きいのが、ハードガイド仕様で、GLXより2個も少ない~~~、たった6ケしか付いていないモデルになります.....^^
またいわゆる低弾性で、非常に曲りが素直で、且つきれいなロッドで、
1970年代にできて現在まで生き続けている超ロングセラー、「ひとつのロッドの完成形」と称賛されるモデルの60Mになります。
(注 今では洋の東西を問わず、ミーハーな方々からは単に”安物ロッド”と勘違いされているようですが.....
しかし、いかんせん、本場アメリカではやはり販売本数は群を抜いて1位2位を争っているわけですから、
実際にフィールドでは多くのアングラーがこの”安物?ロッド”の恩恵に与っているわけですが。^^
さらに拙ブログを過去から読み通していただいたなら、はい、おわかりですよね?! そう、ロッドの画期的な革新というものは1970年代のカーボンロッドの発明に他ならないわけで、
使う側のアングラーとしては最も大事なことは、それ以降たいした進歩はないってことですよね。 ぶっちゃけすぎますが...^^;)
さて、話を進めます。
ナント~~~、価格差はとんでもない~~~、
ええぇっと85000 ÷ 6980 = ナント~~、驚異の「12倍」~~~!!
ここでご常連様、およびエルモスタイル実践アングラーのみなさまにご質問=====!!!
本気でジャーキングをやっていきたいとお考えのご友人がいらっしゃって、その熱いアングラー様にお薦めする場合、
どちらのロッドをお薦めしますか???
もちろんその方が大金持ちであったとして???
回答はジャーーン~~~、
ズバリ~~~、
【安すぎると噂される「グラファイトシリーズ60M」の方!!と答えてくれるアングラーこそが、ロッドワークと真剣に向かい合ってこられた、
熱いロッドワークアングラー様ですよね~~~!!】
はい、価格の高さという権威に負けずに、しっかりと冷徹な観察眼を発揮されましたね!!
おっと、これは冗談でもなんでもありませんよ、ご新規のみなさま方!!
本気でエルモスタイルアングラーのみなさまは、きっと心からグラファイトシリーズをお薦めしますよ、たった1か月やっただけでもね、絶対に!!^^
だって実際に体を、腕を使ってやれば、一目瞭然ですから!!
めっちゃ簡単なことですやん。 実際にやればわかるってことですもん。
ですよね、みなさん?!!^^
価格が1/12でも、12倍釣ってやりましょうか。みなさん?!
そうなると単純に144倍のコストパフォーマンスになりますね!!(笑)
そして下の写真をご覧いただけたら、
けっこうロッドワークというスタイルに長けているアングラー様だったならば、理論的にもさらにご納得いただけることでしょう。
そうですね、あのガイドの位置がアレですもんね!!^^
だから糸フケの処理がよりし易くなりますね!!ヽ(=´▽`=)ノ
しかもよりスパッと気持ちいいキャスティングがきまるのは、グラファイトシリーズの方ですよね!!^^
というわけでみなさん、ロッドは価格じゃないって人達が増えてくれるといいですよね?!
ここでまだ疑っている(汗)、そんなご新規様の参考となりますよう、
ちょっと分野は変わりますが、ひとつたとえ話をしましょうか。
----------------------------------------------------------------------------------
ある実話、いや、あくまでたとえ話?!
フィッシングエルモ小話 「スラリとしたモデルの彼女とブランド信仰」
-----------------------------------------------------
昔々あるところに、ジギングというソルトウォーターの釣りにハマって、連日青物を10尾以上釣ってくるご新規アングラー様がいました。
8月から行けば行くほど、そう連日ハマチ爆釣をやってのけてくれていました。
釣りって面白い! やみつきになってしまう彼がいました。
8月には5回も出船しちゃいました。^^
そして連日、天気のいい日の釣行でした。
「でもそろそろ雨にも遭遇しそうだな...」
そう考えた彼は大型釣具店ではじめて釣り用レインウェアを買うことにしました。
つい2日前には、ロッドとリールもそこで有名ブランドのものを10万円以上かけて買ったばかりでしたが...
なんてたってそこの店員が、
「やっぱり釣り用のレインウェアが最高ですよ! しかも安物じゃ、話になりませんぜ。
最高級素材のゴアテックスでなきゃ役に立ちませんぜ! ”安物買いの銭失い!” ってよく言うでしょ?!」と強く薦めてくるものですから、
それまでの釣果に気をよくしていた彼は、いままで1万円以上のカッパなんて買ったこともありませんでしたが、
清水の舞台から飛び降りる覚悟で店員の言葉を信じ、上下で10万円近くする最新モデルのウェアを買ったのでした。
それは彼が憧れていたある有名プロのプロデュースするモデルで、しかもこの秋冬用の最新デザインですからまだ誰も着ていません。誰ともかぶらないのは嬉しいものです。
そうなると雨が待ち遠しくなるから不思議です。
すると偶然にも9月の半ば、予約していたその日の釣行で、事前の天気予報の通りに、
朝は晴れていて秋っぽく涼しく、Tシャツの上に新品のかっこいいレインジャケットを羽織ると超快適な天候で、
午前10時過ぎからは、待ちに待った雨が降り出しました。
そして瞬く間に大雨に変わりました。
彼はもちろん早速下のレインウェアも装着し、涼しい顔でジグをシャクリ続けます。
「ムフフ... さすがは最高級素材、ゴアテックス~~~!! 凄い防水性! 快適な透湿性! 周りのみんな、ずぶぬれでやんの。用意してきてよかったあ。ムフフ...」
「あっ、アイツ、うらやましそうな顔でこっち見てるよ。ムフフ...」
彼の独り言は続きます。
「やっぱり高いものは間違いがないよ。最高だよ」
「周りのアングラーはみな安物のレインウェアだなあ...なんだあれ、チームエルモって赤いの?... 笑っちゃう... いいの買えばいいのに... ムフフ...」
どしゃぶりの大雨は僅か5分ほどで収まりました。ですが、しばらく小1時間あまり雨が続きましたが、11時ごろからは、くっきりと晴れ間が射したり、逆にまた小雨が降り出したりといった、いわゆる秋の不安定な天候に変わってきました。
曇ったり晴れ間が覗いたりしますが、日差しも心なしかきつくなっています。
そりゃあそうですね、まだ9月半ばですから。^^;
しかし彼にとっては、自慢である「おろしたてのブランドものレインウェア」は脱ぐという選択肢はありません。
「まだちょっと汗をかいたぐらいだしな... まだまだ最高にちょうどいい...ちょうどいい...」 どこかの自動車会社のCMのような呪文を唱えています。
周りの他のアングラーはというと、レインウェアを用意せずびしょびしょになったTシャツ姿の人も3名ほどいらっしゃいますが、
他の5名ほどの方はレインウェアを着ていました。中にはレインウェアを脱いで、それから気持ちいい着替えのTシャツに着替えた方もいらっしゃるようです。
おっと、釣果ですが、この時点では誰もサッパリ...
はい、全員がオデコ街道まっしぐらという困った状況です...^^;
雨といっても小雨が降ったり、そして晴れたり、という不安定な天候に変化しながら、正午過ぎになろうかという頃~~~、
「キャハハハハ!すご~~い、〇〇くん!」 うら若き乙女の歓声が上がります。
「フン、まぐれまぐれ... それにしても可愛い彼女連れでくるなんて、チャラいよな...フン...
でもモデルみたいないいオンナだな... ケッ...」 ブランドを背負った彼はそう呟きます。
すると~~~、13時前からは~~~、
「おお~~~ヒットーーー!!」
「きたで~~~!!」
他の数名のアングラーから一斉に声が上がり始めました。
すると~~~、船長からスピーカーを通したアドバイスが入ります。
「さあ~~~、地合いがきたで~~~!! ちゃんと釣ってよ~~~!!」
「よしきたっ!」
「ヒット~~~!!」
威勢のいい声が船中から聞こえてきます。
「ええぇ? みんな釣ってるよな... もしかして俺だけ?ボウズ??...」
ブランドを背負った彼はまだ1尾もヒットすらありませんでした。
「そういやあの彼女はまだだよな。よかった俺だけじゃなくて...ホッ.....^^;」
焦りにも似た気持ちになりますが、なんとも情けない話ですが(汗)、
「いやあ、いままで竿頭になったこともあるし、まあ大丈夫でしょ。これからこれから」と、
ブランドの権威を羽織った彼にはまだまだ余裕があるようです。「主役は後から出ていくものよ~~~。みてろ、そのうち」
おもいっきりジグをしゃくり続けます。これでもか、これでもか、というくらいに。
ですが、彼のロッドは下には絞り込まれることはありません...
彼曰く、冷や汗が流れ出てきます。
「こんなはずじゃない!! いままでボウズなんかないし... こんなはずじゃない!!」
焦りはさらに募ります。
すると~~~、
「5尾目きたで~~~!!」 ずぶぬれTシャツがほざいています。
「ムキーーー!!」 彼のジャークはさらに激しくなります。 「ちくしょう!!」
「ウワ~~~、キャ~~~、
なにこれ~~~!!すご~~い!!
どうしたらいいの、〇〇くん??」 黄色い歓声が上がります。
一斉に他のアングラーはもとより船長までも彼女に目を向けます。
みんながみんな手助けしたいような感じです。^^
「フン!どうせエソかなんかだろ!」そう強がってはいるものの、ブランドの彼もチラっと彼女の方を振り向きます。
顔からは彼曰く、どうやら冷や汗が出ているようです。それも幾筋も。
しかし全員が注視しているのは彼女ただ一人... まるで彼は忘れ去られた存在です...
「ちくしょう... こんなはずじゃ...ちくしょう... なんとしても... あっ、でも冷や汗は誰にもみられてはいまい...」そんなことを考えながら、ひたすら前向きな彼は頑張り続けます。
「ウオオオォォ~~~~!!」 船内がどよめきで揺れています。
「なにがあったんだ???」ブランドの彼は耳を澄まします。
すると~~~、
「やったあ~~~!!大きいの釣れちゃったあ~~~!! ありがとう船長さん!! 超ラッキ~~~!! ウフッ」
「ブリや===!!」 全員の歓声があがります!! どよめきます!!
しばらくして船長の声がマイクを通して響いてきます。
「はい、あげて~~~! さあ帰りましょか。最高の終わり方や」
船は船首を港に向けて一目散に走り出しました。
「船長さん、ありがとう! 今日は暑くて暑くてしかたなかったから、風が気持ちいい!ウフッ」
「いやあ~、おねえちゃんにブリ釣られるとはな! ガハハ~!
それより午前中は雨でたいへんやったなあ。またきてな~~~」
「うううん、大丈夫。オッケー 昨日エルモの店長さんに、明日はまだ暖かいけど雨が降りそうだから、安物だからあげるってもらっちゃったの、カッパ。
超ラッキー!ウフッ
」
どうやらその日最後の最後に登場した本物の主役は綺麗な、笑顔が本当に素敵な彼女のようでした。
朝とはうってかわって照りつける太陽が眩しかったです。
悔しいですっ!!
了
------------------------------------------------------------------------------------
どうでしたか、みなさん??
笑っていただけましたか??
でもですね、これと同じようなことを、ことロッドに関して言えば、多くのアングラーがやらかしちゃってるんですよね.......OTL
ぶっちゃけ目を覆うような惨状なんですが、気づいていない.......orz
はい、巷では1000人中999人が最高級ロッドを薦めてくるのはまちがいありません...orz
完璧な重症患者だらけの、悲しき日本のバスフィッシング事情なんです...OTL
そりゃあ、私も20年以上前に初めてゴアテックスのレインウェアを購入して使った時には本当にびっくりしましたよ。「なんてすばらしい!なんて画期的な最高のレインウェアなんだ!ビバ、ゴア!」って。
でも、道具には適正ってのがありまして、はい万能ではないですよね...^^;
そこんとこ真剣に考えていただければと思います。
(余談ですが、ゴアテックス信者だらけの日本の釣り具業界ですが、海外ではそれではちょっと敬遠されちゃいますね... まあユニバーサルに考えればね... 続きは後日にでも...)
いいですか、ロッドの場合、その進化は1970年代以降、たいしたもんじゃない。
安い価格のロッドだから使えないってのは、そうのたまうアングラーのレベルがいかにまやかしで、とんでもなく重い病気ってことに、どうか気づいてやってくださいね。^^;
----------------------------------------------------------------------------------
さあみなさん、フィッシングエルモのお薦めする通称エルモタックルは、価格は日本ブランドよりかは遥かに安いですが、間違いのないプロダクツだらけですよ~~~!!
数日後にはセールを実施していくので、狙ってやってくださいね~~~!!^^
もちろんいい釣りできたら、ご一報を!!
----------------------------------------------------------------------------------
今日も過去記事を再掲載してお別れです。
「オリジナルザラスプーク」というルアーで初めて釣りあげた魚のことは絶対に忘れない。
あの瞬間から今ではもうすでに10年以上の歳月が経とうとしているが、
記憶力の悪い僕であってもはっきりと覚えているんだから不思議だ。
おっと、けっこうかたく始めちゃったけど、僕には似合わないな。(笑)
普通の言い方に戻そうかな。
そうそう、これだけは言っておかなきゃね。
なんてたって初めてロッドワークを駆使して釣りあげることができたんだから、
だからこそ、今でも頭の中にはっきりと焼き付いたままでけっして色褪せることはないんだろうね。
それにしても、1939年誕生というのだから、今年でもう72年も現役で活躍し続けているルアーだから驚きだよね。
となると、僕が初めて釣りあげた時点でも誕生から60年をゆうに過ぎていたことになるんだな。
とにかく、その瞬間から僕はアメリカンルアーにすっかり心を奪われてしまったわけ。
ただのぶかっこうな「棒きれ」まるだしのデザインなのに。
----------------------------------------------------------------------------------
同年代の多くの人たちと同じく、僕は中学生の頃には日本で起こった第何次かのバスブームに巻き込まれ、
メーカー側からわざと入手困難にされていた国産の人気ルアーを必死で買い求め、それを疑問もなく使って育った。
そんな時代を生きてきた。(苦笑)
まあ今になって思えば、針がついているわけだし、そこそこ釣れたし、それで疑問はなかったんだろう。
しかしね、オリジナルザラスプークで釣り上げた瞬間、
突然、それも一瞬のうちに、
「ルアーがどこからやってきたのか?」
「ルアーってものが何なのか?」がわかったんだ。
冗談じゃないぜ。
走馬灯のようにね、いやちがうか(笑)、僕は死ぬんじゃないもんな、どう表現したらいいんだろう。
わかんないや。でも続けるね。
もしかしたら、君にもこういった瞬間があったかな??
感覚的なものだから説明するのが難しいんだけどね、僕だけじゃないと嬉しいんだけれど。
まあたいがい少数かもしれないけどね、わかってくれるのは。
それでも、これからロッドワークをやっていく人の中からはきっと出てくるだろうね。
そりゃあなんともいえない感動の瞬間さ。
それを物心ついた今から味わえる君を思うとちょっとうらやましくも思えるよ。
まあ、一足先に僕も経験はしたことなんだけどね。物心はじゅうぶんについていた年頃だったんだけど。
でもね、もったいないっても思ったりするんだよ。ケチくさいけどね。
おっと脱線しちゃった。
言いたいのはね、
そう、あの瞬間、僕はそのルアーというものの、
あのけっして魚そっくりには似せないデザインと
あの機能性の背後にある精神(スピリット)を感じることができたってことなんだ。
それも一瞬のうちにね。
そしてね、それはずっとずっと遠くまで時間をさかのぼったどこかからやってきたものだったんだ。
正直自分でもびっくりさ。
過去と繋がってるなんてそれまでは夢にも思わなかったからね。
若すぎたんだよな、僕が。
「若気の至り」ってやつだよ。
浅はかだったよ、恥ずかしいくらいに。
でもね、こんな特別な感覚というか感動を覚えたのは僕だけではなかったことを今でも思い出すよ。
あの頃は僕の知っている多くの人たちもそのことを認識して同じ衝撃を受けたんだよな。
それはね、フィッシングエルモという小さくて汚い店に集まってきた人たちだった。
もちろん僕よりも若い人も年上の人もいろんな年齢の人たちが集まっていたんだけれど。
それはそうと、僕の特別の気づき(ないし感激といってもいい)は、
今にして思えば、そこで無理やり「オリジナルザラスプーク」を買わされたことから始まったわけだ。
なんだか、懐かしいな。
それに笑える。(笑)
思い起こせば、その当時僕らが夢中になっていたバスフィッシングの最先端は、
雑誌やテレビから僕らのところにやってきたばかりと思っていたから、
そのことを認識できた時の衝撃は半端なものじゃなかったよ。
その店に集うまでの僕らは、
最先端の”僕らの”バスフィッシングと、それ以前のバスフィッシング、
例えば100年以上昔のバスフィッシングとを違ったものとして定義付けていたからね。
----------------------------------------------------------------------------------
ところが、そこの店主との会話で僕らはもっと深いレベルへと繋がる幕の中へと入っていくことになったんだ。
その時の会話を思い出して書いておくね。だいたいこんな感じだったんだ。
「バスはいつだってバスだろ!たった100年とかで生態が変わっちゃうならバスじゃないって。
たった100年でプロがいうように進化するんだったら、200年も経てばバスは人間になっちゃてるよ。
それよかね、100年以上前のアングラーの方が我々の時代の人よりかはよっぽど凄かったんだよ、アングラーとして!!
観察力とか技能とか全部においてね、たぶん。
それと忘れてはならないのは、カーボンロッドが画期的な発明としてリリースされた1970年代当時のアングラー達だよ!
----------------------------------------------------------------------------------
ちょうどその頃には偶然にももうひとつ画期的な出来事も重なってたし。
そう、ナイロンラインだよ!
ナイロンラインって年々進化していると思っている人が多いだろうけれど、
あの頃には物性としてピークを迎えていた、まあ言うなればモノとして完成されていたんだよな。
君たちも使って驚愕したと思うけど、あのスタークUなんか今でもナンバーワンだよな。
使った人はすぐにわかったはずだよ。触っただけでわかった人も多いだろうね。
そんなこんな画期的な進化が1970年代に重なったわけだよ。
おっと忘れちゃいけないのは「リール」も同じさ!
ルーチルドレって人が作り出したLEW'Sのスピードスプールはまさに衝撃だったんだよね。
これも1970年代の話なんだ。
そんなこんな、釣具の画期的発明、
そうだよね、まさに釣具の革命が、1970年代に重なったわけ!
想像するに、そりゃあ、彼らは実際にフィールドで本当にいろんな試行錯誤を繰り返したんじゃないかな。
それだけ画期的だったからね、ロッドの進化とリールの進化とラインの進化って。
なんてたって、それまでと違い、このロッド&リールとラインのセッティングでは、
ロッドを振ればすぐにルアーが反応を返してくれたんだもの。
めちゃくちゃ感激したと思うぜ。
そしていろんな真の技術を身に付けていったと思うんだ。
小手先じゃないやつね。
自分の頭で描いた理想を試し、それから体で覚えていったんだからね。
ロッドワークの腕前もそうとうなものだったろうね。
そう考えるとね、カーボンロッドと新たなリールとナイロンラインが定着してその後は、言ってみればマイナーチェンジなわけじゃない。
けれどマイナーチェンジを画期的な発明と銘打って商売には利用されるからさ、
本質を見抜けなくなる人が続出したんだろうね。
今でもというか、今こそまさにその悲しい流れの中だよね...
豊かになるとモノは溢れる。
でも、本質的な部分は忘れ去られる。
それは世の常さ。わかってる。
モノが溢れるとそうなっちゃうのはなにも釣りだけじゃなくて、音楽や生活全般にも言えることだよね。
----------------------------------------------------------------------------------
でもね、バス業界はやりすぎたんだ... 困ったことにね...
それはね、本質部分を残しているモノが主流のうちはまだ助けがあったんだけれど、
そのうち本質部分を全く踏襲していない間違ったモノだらけになっちゃったんだ...
今じゃあそんなのが溢れているんだ... 値段ばかりが高いだけでね...
まあ日本だけじゃなくて本場アメリカでも同じような感じになってきたんだよな...
特にここ数年はね...
メディアが発達してトッププロのテクニックが紹介されはしたんだけれど、
それはそれで喜ばしいことだったんだけれど、
それも最初のうちだけだったんだ...
----------------------------------------------------------------------------------
そりゃあそうだよね、本質的な部分ってのは削ぎ落とされた部分なんだから、
数としては少ないのは当然。
毎日の新鮮なネタにはなりえない。(笑)
でも商売としてのネタは作り出さなきゃならない。
そうなると本質を理解できていないプロであったら尚更”ミイラ獲りがミイラになる”っていうのかな、
歴史とかルーツとかを意識してこなかったツケさ、本質が抜けたモノばかりを作っちゃう。
でもね、そんなプロは発言力があるからね、みんなが影響をいっぱい受けるからね、
だから今ではそんな曇った目を持ったアングラーがいっぱいなわけよ... 悲しいけどね...
”マネー!マネー!”って連呼するプロってどうなんだろうね。(苦笑)
それはそうと、プロフェッショナルっていうと、
金を稼ぐっていうところに重きを置いて考える人が多いだろうけど、
それは全く間違った考え方だよ。
トーナメントのそんな部分に影響を受けて目が曇る人が多いんだけれど、
そんなところだけに憧れる下世話な輩が多いんだけれど、
そんなのはプロフェッショナルでもなんでもないんだよ。
ただの賞金稼ぎにすぎないんだ。
つまりね、”時代ボケ”なわけよ。プロ=お金って短絡思考は...
現代の恵まれた時代の産物なわけよ、その考え方は...
まあ、魚が釣れればいいってレベルの人は多いわけでね、プロでも我々一般人でもね...
プロフェッショナルってのはね、いや、あえて日本語で言うとね、
本物ってのはね、時代を超えるもんなんだ。
時代を超えて生き続けるから本物なんだよ。
あっごめん、ちょっと難しくなっちゃったね...」
それまでにあの店へやってきた連中の中でも、こんな会話をされると、苦笑いを返した奴も、もしかしたらいたかもしれない。
だって、そこの店主はさりげなく大事なことを言うタイプだし、
誤解されることには、そうとうな皮肉屋だから。
ブラックジョークをかましては客人を遠ざける、そんなタイプの人だから。(笑)
そりゃあこっちの方が店の経営が心配になるほどさ。
でもその場にいた僕らは誰一人そうはならなかったんだ。けっして苦笑いなんてできなかった。
むしろその一言だけではっとし目が覚めるようだったんだ。
そう、バスフィッシングの歴史、僕らの流行のバスフィッシング以前のバスフィッシング、
すべての道がその源に繋がっていることを悟ったのだ。
ルアーでバスを釣りたい。
そう決意した少年の頃の記憶がまざまざと蘇った。
「ルアーに魔法があるわけではなくて、あくまで性能なんですね、あるのは。
魔法使いはあなたご自身なんですよ。
だからこそ男の子の趣味になるんですよ。
だって、それだからこそロマンがあるんじゃないですか。
ロッドワークを磨いていけば面白くなりますよ、絶対に。」
店主の言葉が耳から離れなかった。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
ジェームスヘドンが作った「オリジナルザラスプーク」や「クレイジークロウラー」や「ラッキー13」、
フレッドアーボガストが1938年に発表した画期的な「ジッターバグ」、
ほうきの柄を削ってルアー製作をスタートさせたジャックスミスウィックが1950年代に作り出した最高傑作「ラトリンログ」、
そんな本物のルアーを、”本気で”使っていくと、
ーいいかい、むずかしくないよ。
だって、ルアーの方が最初のワンアクションから、君の心をがしっと鷲掴みにするからー、
代々受け継がれてきた”すごく”貴重な何かに気づく。
ある貴重な秘密だ。
それは、名作ルアーすべてのデザインや機能性に、名作ルアーすべてに共有される発想や概念、あのすべての名作ルアーの中にある。
そして、そういったルアーはアングラーからアングラーへ、父から孫へと受け継がれるが、その本質はいつまでも輝き続けるのだ。
もし君がすでに本物のルアーやロッドやリールを知っているのなら、
たぶんフィッシングエルモのお正月セールは、また君にその源へと戻る理由を与えるだろう。
そして、君が本物を一度も使ったことがなく、これから初めて出会おうとしているのなら、僕はこれを約束できる。
君のバスフィッシングは、君の人生は良い方に変わろうとしている。
エルモとマシューとジョシュア、それに、フィッシングエルモプロスタッフより 友情と胸いっぱいの想いを込めて
----------------------------------------------------------------------------------